金融機関での融資やセーフティネット保証を利用するときに、たびたび登場する保証枠という言葉。
自分の保証枠はいくらなのか?無担保で2億借りることができる?
初めて信用保証協会を知った方向けに、これらの疑問を解説します。
※専門用語は使いません!初めて信用保証協会を利用する若手金融機関担当者、中小企業者向けの内容です。分かりやすさを優先しているので、詳細な部分は端折っていたり、異なる部分があるかもしれませんがご了承ください。
信用保証協会とは、そもそもどういった機関なのかについてはこちらで解説しています。
保証枠とは?2億8000万とは? 一般保証?普通保証?
信用保証協会や自治体などの制度融資について調べていると、「保証枠は2億8000万」という言葉を見かけることがあるはずです。
つまり、2億8000万誰でも無担保で借りられるのか?と言われるとそうではありません。
無担保8000万が基本
一般の保証枠(2億8000万)の中で、無担保で借りることができるのはこのうち8000万だけです。残りの2億は借りる分だけ価値のある担保が必要になってきます。
つまり、無担保の枠は、8000万。
担保があれば、追加で2億借りられるというイメージです。
一般の保証枠の大きさ自体は、保証協会を利用できる会社であれば、皆一律で2億8000万です。○○組合の場合だけ4億8000万と大きくなります。関連会社がある場合は同一企業とみなされ、枠を共有します。
別枠保証
取引先等の再生手続等の申請や事業活動の制限、災害、取引金融機関の破綻、大規模な経済危機等による信用の収縮等等により経営の安定に支障を生じている中小企業者に向けて、支援制度(セーフティネット)が中小企業庁から適宜発動されます。
このセーフティネットを利用すると新たに2つ目の枠として、2億8000万の枠を追加で使うことができます。別枠の保証枠と呼ばれます。
<セーフティネットの種類>
1号:連鎖倒産防止
2号:取引先企業のリストラ等の事業活動の制限
3号:突発的災害(事故等)
4号:突発的災害(自然災害等)
5号:業況の悪化している業種(全国的)
6号:取引金融機関の破綻
7号:金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整
8号:金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡
よく利用されるのは4号と5号。いわゆるコロナの制度も4号と5号。
つまり、無担保で考えるのならば、
8000万(①一般保証)+8000万(②セーフティネット保証)
=1億6000万を無担保で借りられます。
危機関連保証
内外の金融秩序の混乱その他の事象が突発的に生じたため、全国的な資金繰りの状況を示す客観的な指標である資金繰りDI等が、リーマンショック時や東日本大震災時等と同程度に短期かつ急速に低下することにより、我が国の中小企業について著しい信用の収縮が全国的に生じていることが確認でき、国として危機関連保証を実施する必要があると認める場合に、実際に売上高等が減少している中小企業者を支援するための措置
(中小企業庁HPより引用)
要は、法律に基づいて特に激甚な被害のある災害や出来事に指定され新たな制度(激甚災害、危機関連保証)を利用すると、セーフティネットとも違う、追加の保証枠が使えます。
直近だと、令和元年の台風やコロナ関連でこの制度が登場しています。
また、罹災証明書の提出を求められたり資金使途の限定などがある場合があります。
つまり、それぞれの要件に当てはまりさえすれば、単純計算ですが
8000万(一般保証)+8000万(別枠保証)+8000万(危機関連)
=2億4000万を無担保で借りられます。
※上記はあくまで単純計算です。特に危機関連保証については以前利用分との兼ね合いが複雑になっています。どの制度を利用する場合も、必ず最寄りの金融機関か信用保証協会に確認するようにしてください。
コロナの制度はどれ?→複数の制度が存在します!
今回のコロナの制度を利用したい!ということになれば、
・都道府県や市町村で用意している一般保証のメニュー(1つ目の保証枠)
コロナ対応緊急融資、経営変化対策資金など。名称や制度内容は自治体で異なりますが、金利や保証料を自治体が負担してくれる保証制度を用意してくれていることが多いです。(利子補給、保証料補助とうたわれています。)
・セーフティネット4号保証、セーフティ5号保証(2つ目の保証枠)
・自治体の制度にセーフティネットを組み合わせる特別メニュー(2つ目の保証枠)
・危機関連保証(3つ目の保証枠)
これらの制度を見比べつつ金融機関に相談に行きましょう。金融機関の担当者さんは信用保証協会を使い慣れているので、あなたに最適な融資メニューを提案してくれます。
ちなみに、信用保証協会を利用するとなると1ヶ月程度、資金調達まで時間がかかってしまうことがあります。詳しい審査スケジュールはこちら。
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